【必見】新型コロナウイルスワクチン【コミナティの副反応と有効率】

いま話題の新型コロナウイルスワクチンについてまとめてみたいと思います。

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日本で2021年4月現在接種されているワクチンについて

日本で現在、接種が進められているのは、米国ファイザー社製の「コミナティ筋注®︎(参照:KEGG)」です。

コミナティ筋注

効能または効果:SARS -CoV-2による感染症の予防
用法および用量:1回0.3mlを筋肉内に接種
接種回数:2回
接種間隔:1回目の接種から3週間
接種対象:16歳以上(16歳未満では有効性・安全性が明らかになっていない)

注意事項:
・本ワクチンの接種を受けた後、15分以上、接種を受けた施設で待ち、体調に異常を感じた場合は、速やかに医師へ連絡すること
・1回目の接種後、3週間を超えた場合は、できるだけ速やかに2回目の接種を受けること
・1回目に本ワクチンを接種した場合は、2回目も必ず同じワクチン接種を受けること
・本ワクチンの接種で十分な免疫ができるのは、2回目の接種を受けてから7日程度経って以降とされること

小括

接種部位は上腕の三角筋に筋肉内接種をすることが一般的です。ワクチンの効果が十分に発揮されるのは、2回目を接種して7日目以降です。それまでは、適切な感染防止策を続ける必要がありますので、注意してください。

日本の新型コロナワクチンの臨床研究データ

医療従事者2万人のデータ

日本では2月から医療従事者先行接種が開始されました。厚生労働省の研究班は、コミナティ筋注の先行接種を受けた医療従事者2万人を対象として、副反応に関する調査を行っています。

1回目の接種後と、2回目の接種後との副反応について、データが公表されています。厚生労働省の「新型コロナワクチンの接種後の健康状況調査」を参照いただくと、その結果の詳細をみることができます。

副反応を経験する割合

厚生労働省が公表しているデータの中から、コミナティ筋注に特徴的と思われるデータを抜粋したものが、下の図表になります。少し細かくてみにくいかもしれませんがご容赦ください。

全体として、1回目接種より、2回目接種後の方が副反応の割合は高くなる傾向にあります。中でも頻度が高いのは、接種部位の疼痛、頭痛、倦怠感、発熱です。

接種部位の疼痛

接種部位の疼痛はおよそ90%の人が経験し、接種日の翌日が最も頻度が高くなります。

頭痛

頭痛の頻度は、1回目の接種後は10%にとどまりますが、2回目の接種後はおよそ50%にのぼります。2回目の接種後は、中等度から高度の頭痛を訴える割合が25%と、頭痛の程度は強いようです。接種日の翌日が最も頻度が高くなります。

倦怠感

倦怠感の頻度は、1回目の接種後は20%未満、2回目の接種後は70%近くにのぼります。こちらも2回目の接種後は、中等度から高度の倦怠感を訴える割合がおよそ40%と、倦怠感の程度は強いようです。接種日の翌日が最も頻度が高くなります。

発熱

発熱の頻度は、1回目の接種後は37.5℃以上が3.3%でしたが、2回目の接種後は38.1%(3人に1人)と高率に認めました。また、2回目の接種後は、38℃以上の発熱を、20%の人(5人に1人)が経験しています。発熱も接種日の翌日が最も頻度が高い結果でした。


出典:「新型コロナワクチンの接種後の健康状況調査」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_kenkoujoukyoutyousa.html)を加工して作成

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アナフィラキシー

日本の医療従事者2万人のデータでは

厚生労働省の「新型コロナワクチンの接種後の健康状況調査」のデータでは、2021年4月7日現在、3例のアナフィラキシーが報告されています。いずれの症例も2回目接種時に発症していますが、数日で回復しています。

1回目の接種を終えた医療従事者が19,808例、2回目の接種を終えた医療従事者が19,482例とすると、合計39,290回の接種になります。よって、コミナティ筋注によるアナフィラキシーの頻度は、100万回接種あたり76.4症例(0.00764%)となります。接種回数の母数が少ないため、頻度が高く見積られているように思います。

米国の1,000万人のデータでは

米国でのコミナティ筋注によるアナフィラキシーの報告は、合計9,943,247回の接種で、47症例でした(Shimabukuro TT, Cole M, Su JR., JAMA. 2021; 325: 1101-1102.)。これは、100万回接種あたり4.7症例(0.00047%)の頻度です。

一般に、ワクチンによるアナフィラキシーの頻度は100万回接種当たり1.3症例とされています(McNeil MM, Weintraub ES, Duffy J, et al., J Allergy Clin Immunol. 2016; 137: 868-78. )。コミナティ筋注はこれまでのワクチンと比べると、アナフィラキシーの頻度が高いことが懸念されます。

小括

コミナティ筋注を2回目接種したのち、50%の人が頭痛、70%の人が倦怠感、40%の人が37.5℃以上の発熱を経験したことが明らかになりました。また、米国では100万回接種あたり4.7症例でアナフィラキシーが報告されています。アナフィラキシーの発症は多くが15分以内ですので、接種後15分間は必ず会場で待機するようにしましょう。

コミナティ筋注の有効性について

海外臨床試験データ

下の図表は海外での臨床試験の結果です(Polack FP, Thomas SJ, Kitchin N, et al., N Engl J Med. 2020; 383: 2603-2615.)。新型コロナウイルス感染歴のない人を対象として解析している、上段の結果をみていきたいと思います。

ワクチン有効率が95%と示されています。これは、「プラセボ(生理食塩水)接種群で新型コロナウイルス感染症を発症した162人(C)が、仮にワクチンを接種していたとすると、8人(5%)の発症に抑えられました」、ということを意味しています。


出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_pfizer.html#001

95%の有効率は高い?

18〜64歳への不活化インフルエンザワクチンの有効率が59%と報告されています(Osterholm MT, Kelley NS, Sommer Alfred, et al., Lancet Infect Dis. 2012; 12: 36-44.)。この結果と比較すると、コミナティ筋注の新型コロナウイルス感染症に対する有効率は高いと言えます。

イスラエルでは4月17日時点で、人口の53%がコミナティ筋注の2回接種を終えています。これは、16歳以上のワクチン接種対象者の8割以上にあたります。現在、経済活動はほぼ完全に再開されているにもかかわらず、感染者数はピーク時の2%にまで激減しています(参照:REUTERS COVID-19 TRACKER)。また、4月18日からは屋外でのマスク着用を義務づけた規制を解除すると発表しています(参照:NHK NEWS WEB)。

日本での1日感染者数は2021年4月17日現在、全国で4802人と報告されました(参照:NHK NEWS WEB)。仮に、この4800人がコミナティ筋注を受けていれば、日本全国での発症者は5%の240人に抑えられる計算です。95%の有効率は高いと言えそうです。

小括

イスラエルの例をみても、コミナティの有効率95%は、十分に有効であるといえます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。この記事では、新型コロナウイルスワクチンである「コミナティ筋注」についてまとめました。

2回目接種後の副反応は、高い確率でみられます。また、アナフィラキシーも一般のワクチンより高い頻度でみられ、懸念されるものです。しかしながら、95%という高い有効率は、接種する価値が十分にあるものと考えられます。

みなさまの、ワクチン接種に際しての、参考になりますと幸いです。

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