【重要】IBD治療でレミケードの効果が落ちてきたら?【対処法】

「レミケードが効かなくなったら」という不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。

この記事では、具体的な対応についてみていきたいと思います

主には、以下の3つです。
 ・レミケード投与方法の工夫
 ・他の薬剤を併用
 ・別の薬剤に変更

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レミケードについて

まずは簡単におさらいしてみたいと思います。
詳しくは、詳細記事のリンクをご参照ください。

これまでのおさらい

Q1.レミケードとは?
  レミケードは腫瘍壊死因子(TNF)αに対する抗体製剤です。

詳細記事

初めまして。医師でクローン病患者のtoroです。2021年でクローン病歴が20年近くとなりました。クローン病患者としてこれまで経験してきたことや、困ったことなどを中心にみなさまと情報を共有していければと思っております。よろしくお願いします[…]

Q2. レミケードの投与量は?
  クローン病では通常、体重1kgあたり5mgの投与量です。

詳細記事

今日は体重とレミケードとのお話しをしたいと思います。 適正体重って? 適正体重 = 身長(m)×身長(m)×22です。 筆者の場合は身長168cmなので、1.68(m)×1.68(m)×22 = 62.1kgが適正体重で[…]

Q3. レミケードが効かなくなる理由?
  使用経過で、効果を減弱させる中和抗体が産生されることが知られています。

詳細記事

炎症性腸疾患で使用される薬剤の一つ、アザチオプリンについて取り上げたいと思います。この記事では主に、炎症性腸疾患でアザチオプリンを使用する意義についてまとめています。 アザチオプリンの歴史 アザチオプリン(参照:KEGG)は商[…]

  喫煙はレミケードの効果を減弱させることがわかっています。

詳細記事

今日はクローン病と喫煙の影響について取り上げたいと思います。 クローン病では禁煙することが、ガイドラインで「強く推奨」されています。では、なぜ禁煙が勧められるのでしょうか?その根拠をいくつかみていきたいと思います。 喫煙とレミ[…]

レミケードが効かなくなった時の対応

1. レミケード用量の増量

Chaparrらの論文(Chaparro M, Panes J, García V, et al., J Clin Gastroenterol. 2011; 45: 113-8.)を引用したいと思います。

研究デザイン

インフリキシマブ(レミケード®︎)治療を受けている399人のクローン病(CD)患者さんを対象とした研究です。
そのうち、95%の患者さんは免疫抑制薬を併用していました。

平均追跡期間は41ヶ月間で、インフリキシマブによる維持療法の持続性について評価されています。

 結果1. インフリキシマブの効果が減弱する割合

インフリキシマブの使用中に、年間12%の割合で効果が減弱することがわかりました。

 結果2. インフリキシマブの増量投与後の反応

インフリキシマブへの効果減弱がみられた患者の41%は、増量した用量のインフリキシマブ投与を受けました。

最初の増量投与を受けたのち、その患者の56%が寛解を達成し、40%が部分奏効を達成しました。

 結果3. インフリキシマブの持続性の修飾因子

インフリキシマブによる維持療法の持続性を増加させる因子と、低下させる因子について検討されました。

 増加させる因子… 「免疫抑制薬の併用」 は有意にレミケードの持続性を増加させた

 低下させる因子… 「喫煙」 は有意にレミケードの持続性を低下させた

小括

インフリキシマブの効果が低下した患者さんに、インフリキシマブの用量を増量して投与すると、96%の患者さんが初回の良好な反応を示しました

レミケードの投与間隔の短縮、もしくは投与量の増量に関して:

詳細記事

今日は体重とレミケードとのお話しをしたいと思います。 適正体重って? 適正体重 = 身長(m)×身長(m)×22です。 筆者の場合は身長168cmなので、1.68(m)×1.68(m)×22 = 62.1kgが適正体重で[…]

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2. 免疫抑制薬の併用

Strikらの論文(Strik AS, van den Brink GR, Ponsioen C, et al., Aliment Pharmacol Ther. 2017; 45: 1128-1134.)を引用したいと思います。

研究デザイン

抗TNF-α抗体(インフリキシマブもしくはアダリムマブ(ヒュミラ®︎))の単剤療法を受けている炎症性腸疾患(IBD)患者さんを対象としています。

そのうち、中和抗体の検出された患者さんに免疫抑制薬を追加投与することで、抗TNF-α抗体への臨床反応を取り戻すことができるかどうかを評価しています。

 結果1. 中和抗体の検出率

インフリキシマブ… 376人中98人、26%で中和抗体が検出

アダリムマブ… 226人中61人、27%で中和抗体が検出

 結果2. 免疫抑制薬の併用と抗TNF-α抗体の臨床効果回復

免疫抑制薬は、中和抗体の検出された159人の患者さんのうち、17人に追加投与されました。
 チオプリン… 10人
 メトトレキサート… 7人

チオプリンを投与された6人の患者さん、およびメトトレキサートを投与された7人の患者さんで抗TNF-α抗体に対する臨床反応が回復しました。

 結果3. 免疫抑制薬の併用と抗TNF-α抗体の血清濃度

 インフリキシマブ… 8人
 アダリムマブ… 9人

免疫抑制薬の併用で、インフリキシマブを使用している7人の患者さん、アダリムマブを使用している6人の患者さんで抗TNF-α抗体の血清濃度が上昇しました。

これらの患者さんでは、中和抗体が検出不可能なレベルまで低下していました。

小括

インフリキシマブの効果が低下した患者さんに、免疫抑制薬を追加投与すると、77%の患者さんで抗TNF-α抗体の臨床反応が回復しました

3. 他の製剤への変更を検討する

他の抗TNF-α抗体製剤

他の抗TNF-α抗体製剤への変更が有効な場合もあります。

IBDで使用されるインフリキシマブ以外の抗TNFα抗体:

 アダリムマブ(ヒュミラ®︎、参照:KEGG
  適応:潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)

 ゴリムマブ(シンポニー®︎、参照:KEGG
  適応:潰瘍性大腸炎(UC)、現在のところクローン病への保険適応はありません

他の作用機序の薬剤

抗IL-12/23p40抗体… ウステキヌマブ(ステラーラ®︎、参照:KEGG
 適応:UC、CD

抗α4β7インテグリン抗体… ベドリズマブ(エンタイビオ®︎、参照:KEGG
 適応:UC、CD

ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤… トファシチニブ(ゼルヤンツ®︎、参照:KEGG
 適応:UC

小括

他の抗TNF-α抗体製剤への変更や、他の作用機序の薬剤への変更も考慮されます

まとめ

いかがでしたでしょうか。

レミケードの効果が減弱した場合、この記事でまとめたような対処法が検討されます。

事前に、主治医先生とどうするか相談してみるのもいいと思います。

みなさまのご参考になりますと幸いです。ではまた。

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