今日は「気象病」と「水毒」について取り上げたいと思います。
「水毒」は漢方の概念になります。
このお話は、梅雨や台風シーズンに向けて役立つ情報です。
いきなりですが質問です
Q1.雨の降る前に調子が悪くなることはありますか?
筆者はクローン病になった当初から、「明日は雨が降るだろう」と、かなりの確率で予想できるようになりました。
というのも、雨の降る前日はたいてい体が重くなって、だるく感じるのです。
特に、足が棒のようにだるくなり、ふくらはぎが痛むのが特徴的でした。
レミケードの治療を受けてからは、その変化が少し分かりづらくなりました。
もしかしたら、クローン病による炎症の程度と、なにか関連があったのかもしれません。
Q2.気圧の下がる時に頭が痛くなることはありますか?
筆者は頭痛によって、気圧が下がるタイミングをだいたい当てることができます。
4年ほど前から意識するようになった症状です。
頭痛に関しては、筆者は「頭痛ーる」を活用しています。
この「頭痛ーる」はアプリ版があるので、そちらが便利です。
例えば、頭が痛い時に「頭痛ーる」を開いて、ちょうど気圧が下がるところで爆弾マークでもついていたら「やっぱり」って思っています。
自身の体調を理解するのにとても便利で、面白いので活用しています。
気象病って?
WEBで「雨の前 調子悪い」と入力して検索してみると、「気象病」や「低気圧不調」といった言葉がヒットします。
「気象病」とは、気象の変化によって症状がでたり、悪化したりする病気のことを言います。
日本では2015年ごろから有名になってきたそうです(参照:Wikipedia)。
上記、Q1やQ2のような筆者の経験も、典型的な「気象病」なのでしょう。
もう少し調べてみると、2021年3月時点ですが、愛知医科大学には専門の気象病外来・天気痛外来なるものがあり、佐藤純先生が診察されているようです。
気象病の原因は?
この「気象病」に関して佐藤純先生は、耳の奥にある気圧変化をとらえるセンサーが影響しているよう、と解説されています。
気圧変化に敏感な人は、少しの気圧変化でも感知し、過剰に情報が脳へ伝達されます。
その結果、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れて、痛みやだるさといった症状が引き起こされるのです。
さて、後半はこの「気象病」を、漢方の「水毒」につなげていきたいと思います。
水毒とは?
いきなり「水毒」と言われても理解に苦しみますよね。
「水毒」とは簡単に、体の中の水のバランスが悪い状態を想像してください。
例えば、体がむくんだり、尿量が少なかったりでしょうか(参照:ツムラ「私に合う漢方薬の見つけ方」)。
より詳細に「水毒」というと、身体の重い感じ、(雨の前日の)頭痛、めまい、鼻水、嘔吐や下痢、むくみ、尿量減少や増加、などの症状を指します。
春先の花粉症に伴う鼻水も「水毒」ですね。
「水毒」体質の人は、天気や気圧の影響を受けやすい特徴があります。
雨の前日の頭痛、雨の前日の身体の重い感じ、といった訴えは典型的です。
つまり、これまでお話ししてきた「気象病」とは、漢方でいうところの「水毒」ととらえて良いでしょう。
ちなみに、「水毒」という概念は、「気象病」という名前が出るはるか昔から知られている漢方の概念です。
水毒の治療って?
ではどう治療するの?ということになります。
例えばAさんが、「雨の前日は頭痛がひどく、身体も重くて動けない」という訴えで病院に訪れたとします。「いい西洋薬ありますか?」と言われても少し困ります。
もちろん頭痛に対してカロナール(一般名アセトアミノフェン、参照:KEGG)やロキソニン(一般名ロキソプロフェン、参照:KEGG)などの痛み止めを出すこともあります。
一方で、「いい漢方薬ありますか?」と言われると、「水毒ですね、おすすめの漢方薬がありますよ!」と答えます。
例えば、五苓散(ツムラ、参照:KEGG)や当帰芍薬散(ツムラ、参照:KEGG)などが代表的です。
この二つの漢方薬以外にも、それぞれの症状にあった漢方薬を選択する事が可能でしょう。
まとめ
春先から梅雨、台風シーズンに向けては、低気圧が次から次に通過し、気圧の変化も大きい季節となります。
こういう時期に体調を崩す方は「気象病」、すなわち漢方でいう「水毒」体質の可能性があります。
2021年これからの気圧変化を体調良く乗り切りたい、という方は漢方薬を試してみてはいかがでしょうか。
リンク
お近くの漢方専門医へ相談してみてください(参照:検索可⇨日本東洋医学会、漢方専門医検索)
漢方薬シリーズは他にも記事がありますのでぜひあわせてご覧ください(参照:病気や漢方)