【必須】クローン病と大腸内視鏡検査を受ける準備【食事と前処置】

前回の記事では小腸X線造影検査についてお話しました。

この記事では大腸内視鏡検査についてお話したいと思います。

小腸X線造影検査と比較すると、大腸内視鏡検査の方がより一般的な検査かと思います。

クローン病に限らず、例えば健診で便潜血陽性(参照:日本消化器病学会)となれば、精査として大腸内視鏡検査を受ける事が勧められます。

誰しも人生で経験する可能性のある検査と思います。

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クローン病診断における大腸内視鏡検査の必要性

この大腸内視鏡検査ですが、クローン病診断においては、必ず受ける検査になります。

クローン病の診断基準には主要所見として、A.縦走潰瘍、B.敷石像、C.非乾酪性類上皮細胞肉芽腫があります(参照:難病情報センター)。

この3つはどれも基本的に内視鏡検査を行うことによって証明されます。

A.縦走潰瘍、B.敷石像(参照:IBDステーション)はどちらも内視鏡画像で見られれば証明できます。

C.非乾酪性類上皮細胞肉芽腫(参照:日本病理学会)だけは生検といって、内視鏡下で腸の組織を一部つまんで取り、顕微鏡で観察した所見から証明されます。

もし、初診でクローン病が疑われれば、大腸内視鏡検査は避けて通れませんし、クローン病患者となれば毎年もしくは2年ごと(参照:IBDプラス)など、定期的な大腸内視鏡検査が必要となります。

大腸内視鏡検査前の注意事項

ここからは筆者の体験をもとに、具体的な検査の受け方や流れについての一例を記載したいと思います。

病院ごとに検査前の注意事項を渡されると思いますので、ぜひその指示に従ってください。

今回は普段の内服薬がない場合としてお話を進めます。

もし普段の内服薬があれば、検査に際して薬の内服をどうしたらよいか事前に確認しましょう。

特に、血を止めにくくする薬(抗血小板薬や凝固薬)を内服されている場合は、必ず主治医に確認されることをお勧めします。

以下は筆者の通院している病院での注意事項を参考に記載しています。

あくまで一例です。

実際の検査開始時間によっても指示は変わるでしょう。

ちなみに筆者の通院する病院では、大腸内視鏡検査は午後に行われることになっています。

さて、いくつか指示の要点を並べてみたいと思います。

①検査前日の21時以降は食事をしないこと(飲水は可)、

②前処置薬は指示通りに飲むこと、

③車を運転しての来院はやめること、です。

絶食、飲水可

①に関してですが、大腸内視鏡検査を行うには大腸の中を空にしなければなりません。

そのため、前日の夕食から注意事項の記載があることが多いと思います。

いくつか指示の種類があると思います。

例えば、検査前日の午後○○時以降は絶食、夕食を軽めにするよう、決められた検査食を食べる、などでしょうか。

もちろん検査当日の朝は絶食です。

当たり前ですが、すごく重要です。

うっかり!?、、がないように気をつけましょう。

水分を取っていいかどうかも決められている場合があるようです。

ちなみに、筆者の通院している病院の場合は、検査前日も検査当日も水分制限はありません。

筆者は検査食なるものを使用した経験はないので少し調べてみました。

商品名になりますが、

マヨネーズで有名なキューピーからはクリアスルー(参照:kewpie)が、

EAファーマ(エーザイと味の素の出資)からはインテスクリアが、

キャラメルで有名なグリコからはエニマクリン(参照:glico)が販売されています。

ここに挙げた商品以外にも販売されているものはあると思います。

興味がありましたら調べてみてください。

前処置について

②に関してですが、前処置に使用する薬剤によっても変わるかと思います。

ここではニフレックとモビプレップについて取り上げます。

特に意図はないのですが、どちらもEAファーマの医薬品ですね。

筆者の使用経験があるものを紹介しています。

メーカーサイトに飲み方の情報があるので、参照ページを貼り付けて紹介したいと思います。

ニフレック

筆者が2003年に受けた病院ではニフレック(参照:KEGG)を使用していました。

ニフレックの場合は、メーカーサイトに指導箋サービス(参照:EAファーマ)なるものがあり、病院ごとの指示にあった服用ガイドを作成できます。

ちなみに、この服用ガイドを作成していくと、検査前日の食事で避けたい食べ物の図表(参照:EAファーマ)を見ることができます。

「もっと簡単に知りたい!」ということであれば、服薬指導の動画(参照:EAファーマ)が用意されています。

ニフレック内服中にニフレック以外の水分をとっていいかどうかは、薬剤情報には記載されていないように思います。

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モビプレップ

筆者が現在通院している病院では、モビプレップ(参照:KEGG)を使用しています。

個人的な経験ではモビプレップの方が飲みやすい味かなぁと思います。

飲み方ですが、こちらも指導箋(参照:EAファーマ)がWEB上に用意してあります。

図表でまとめられていて非常に分かりやすい印象です。

飲み方のポイントですが、「モビプレップを1,000ml飲んだら、必ず水を500ml飲みましょう」と記載されています。

意外と見落としやすいので注意しましょう。

この指示に関わらず、モビプレップ内服中は「喉が渇いたら水分は取っていい」と記載されています。

ただし、飲んではいけない水分の種類についても明記されているので確認しましょう。

「もっと簡単に知りたい!」ということであれば、こちらも服薬指導の動画(参照:EAファーマ)が用意されています。


2021年4月22日 大腸内視鏡検査時に筆者が撮影

筆者の体験談

2021年4月の大腸内視鏡検査時のお話しです。

筆者は、2Lの水と2Lのお茶とを購入し、前処置に挑みました。

検査時間は13:30からでした。

検査当日、起床時にコップ1杯の水を飲み、腸の動きを刺激します。

家を出る4時間前から溶解したモビプレップの服用を開始します。

筆者は少し早めの8時から服用を始めました。

モビプレップは梅風味で、飲むと後味が酸っぱく、唾液がでる感じです。

日本人は梅干しの味は馴染みがあると思いますので、飲みやすいのではないかと思います。

溶解には2Lの冷やした水を使用し、服用中はお茶を並行して少しずつ飲みました。

11時ごろ(3時間経過)にはモビプレップを1.5L飲み終わり、便も透明な水様になりました。

筆者は1.5Lで服用を終了し、あとはお茶を飲んで、出発までゆっくりと時間を過ごしました。

お茶は少し温めたものを飲むのが心地よかったです。

モビプレップをどこまで飲むかですが、便が透明になるまでが正しいと思います。

これも経験を積めば、個々人でどれくらい飲んだら大丈夫、という当たりがつかめると思います。

筆者は出発まで4時間ほど前から飲み始め、モビプレップを1.5L飲めれば前処置は大丈夫という感じです。

まとめ

この記事では大腸内視鏡検査を受けるにあたって、①検査前の食事と、②前処置で使用する下剤、についてまとめました。

検査食なるものが有名な食品会社関連で販売されているようですね。

また、モビプレップを飲むときは水分を適宜とっていいんだよということはぜひ覚えておいていただきたいです。

筆者の体験では水分を適宜とりながらの方が楽に飲めます。

次の記事では、③車を運転しての来院はやめるように、についてまとめたいと思います。

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皆様の参考になりますと幸いです。

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