【注意】大腸内視鏡検査で使う鎮静薬・鎮痛薬【運転はだめ?】

前回の記事では、大腸内視鏡検査を受けるにあたって、①検査前の食事と、②前処置で使用する下剤、についてまとめました。

今回は、③車を運転しての来院はやめるように、について記載したいと思います。

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運転は危険

さっそくですが、「なぜ車を運転をしての来院はやめるように」なのでしょうか?

「受けるこっちの勝手でしょ」と言いたくなりますが・・・。

ちなみに、ご家族が運転する車に乗ってくるのであれば、全く問題ありません。

つまり、「検査を受けた後に運転すると危険ですからやめてください」という注意喚起になります。

では、大腸内視鏡検査を受けた後の運転が危険なのはなぜでしょうか?

それは、検査中に鎮静薬や鎮痛薬を使用することが想定されるからです。

これらの薬剤は、使用すると眠気や判断力の低下を引き起こします。

検査終了後には薬剤は体から代謝されて抜けていきますが、それでも少しボーッとした状態が続くことが予想されるので、集中力を要する車の運転は危険なのです。

鎮静薬と鎮痛薬

鎮静薬や鎮痛薬と聞くと、「そんな薬を使って大丈夫なの?一般的に使うものなの?」と、不安になる方がおられるかもしれません。

2020年に日本消化器内視鏡学会から『内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第 2 版)』が公開されました。

このガイドラインには、「内視鏡検査において患者さんに我慢を強いる時代ではなくなった」と前置きされています。

つまり、苦痛を伴う内視鏡検査において、鎮静・鎮痛薬を用いることが一般的となってきたことを明記しているのです。

鎮静・鎮痛薬を適切に使用することは、検査を受ける側にとって、疼痛や不安が和らぎ、検査に対する満足度が高まる利点があります。

また、内視鏡施行医にとっても、焦ることなく十分な検査を遂行することができ、満足度が高まる利点があります。

筆者は鎮静・鎮痛薬なしで大腸内視鏡検査を受けたことがありますが、痛みや不快感を30分近く我慢するのは、本当にしんどいです。

そんな経験をしたら、次回の検査を受けるのが嫌になりますよね(笑)。

さて、内視鏡検査で用いる鎮静薬や鎮痛薬にはいくつか種類があります。

ここで全てを列記することは控えますが、ご興味のある方はガイドラインを参照されてください(参照:『内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第 2 版)』、p.1645-Table 9)。

以下に代表的なものを記載しておきます。

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鎮静薬

鎮静薬(簡単にいうと睡眠薬)で使用される薬剤ですが、一般的に使用されることが多いのはドルミカム(一般名ミダゾラム、参照:KEGG)です。

ドルミカムはベンゾジアゼピン系の薬剤で、催眠・鎮静・抗不安作用を持ちます。

速効性がある一方で、作用持続時間が短いのが特徴です。

筆者が検査を受ける場合もこのドルミカムをしっかり使用してもらっています。

鎮痛薬

鎮痛薬(簡単にいうと痛み止め)で使用される薬剤ですが、ペチジン(参照:KEGG)やフェンタニル(参照:KEGG)、ベンタゾシン(参照:KEGG)などが用いられます。

筆者が検査を受ける場合はペチジンを使っていたと思います。

というのも、ドルミカム後は既にうとうとしており、医師が「ペチジン・・・」って言ったなくらいしか覚えていないのです。

楽に受けるために

最近、筆者は痛い思いをするのが嫌なので、検査予約の際に「痛みに弱いので、しっかりと痛み止めを使ってください!」と、主治医に必ずお願いするようにしています。

「上級医の先生にしてください」なんてお願いしていたこともあります(最近は言ってませんよ)。

「医者のくせに」って笑われてそうですよね。

まとめ

この記事では「なぜ車を運転をしての来院はやめるように」なのかを解説しながら、鎮静薬や鎮痛薬についてお話ししました。

皆様にコツとしてお届けできることとしたら、上記のように「主治医への事前の根回し?」がこの検査を楽に受ける一番のコツです。

次回の記事では、大腸内視鏡検査中のことについて触れてみたいと思います。

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