前回の記事では、大腸内視鏡検査を受ける際に、「なぜ車を運転しての来院はやめるように」なのかをお話ししました。
今回は、大腸内視鏡検査の流れと、終了後のことをお話ししたいと思います。
大腸内視鏡検査の流れ
入室から検査開始まで
まず、入室から大腸内視鏡検査の開始までの流れです。
部屋に入りベッドに横になるように言われ、モニターが装着されます。
そして、点滴のためのルートキープが行われます。
これが終わると側臥位になり、膝を曲げた姿勢をとります。
その段階で鎮静薬と鎮痛薬の静脈内投与が行われます。
ここまで手際良く進むと、入室から5分もたたないうちに検査が始まります。
筆者の場合
2021年4月の大腸内視鏡検査時のお話しです。
はじめに注射のためのルートキープを受け、まずブスコパン(一般名ブチルスコポラミン臭化物、参照:KEGG)の静脈注射を受けました。
このブスコパンは抗コリン作用を持ち、消化管運動を抑制します。
副作用に動悸があるので、心拍が早くなるのを自覚しました。
続いて、鎮痛薬であるペチジンの静脈注射を受けました。
今回は残念ながら、鎮静薬であるドルミカムの投与はありませんでした。
検査中
検査開始後ですが、挿入時は意識はまだはっきりしていて、肛門の痛みも感じます。
正直、気持ち悪いです。
しかし、ものの数分でうとうとしてきます。
その後は痛みもあまり感じず、「気づいたら終わっていた」という経験をされる方も多いかと思います。
カメラは直腸から、S状・下行・横行・上行結腸、そして大腸の最も奥の盲腸へと進みます。
盲腸から先は回盲弁を隔てて回腸となります(参照:看護roo!)。
回盲弁をくぐり回腸を少しのぞくところ、まで進むことが多いのではないかと思います。
奥まで進みきった後、手前へ戻りながら何か病変がないかしっかりと観察していきます。
よく観察するために洗浄や吸引、送気を行ったりします。
また、生検といって腸の組織の一部つまんで取り、病理検査へまわすこともあります。
他には、インジゴカルミン(参照:KEGG)という青い色素を散布し、粘膜の凹凸を見やすくすることもあります。
そして、肛門まで戻れば検査終了です。
ここまで入室から20分程度、長くても30分位で終わるかと思います。
筆者の場合
2021年4月の大腸内視鏡検査時のお話しの続きです。
検査中はペチジンのおかげで痛みは抑えられていて、楽に受けることができました。
ドルミカムが入らなかったので、今回は検査の間ずっとモニターで自分の腸を観察していました。
検査を楽に受ける工夫
さて、ここまでの検査の流れで、楽に受けるためにできる工夫はあるのでしょうか?
前回の記事でお話しした、鎮静薬と鎮痛薬の使用は重要ですが、それ以外に?
それは、「少しでも検査時間を短くする」ことです。
検査時間が短ければ短いほど、受ける側も、内視鏡担当医も楽なはずです。
では、そのために受ける側が協力できることは?
それは、「前処置をしっかりと行い、便を全て出しきること」です。
便が残っていると病変を見逃す恐れがあるので、視野をきれいに保つ操作が求められます。
そこで担当医は、内視鏡から水を注入して洗浄し、吸引する作業を繰り返すことになります。
結果として、余計に時間がかかることになり、受ける側も、担当医も苦労してしまうのです。
検査終了後
検査終了後ですが、鎮静薬の拮抗薬を使って覚醒を促す場合もあります。
検査室を車椅子で出ると、リカバリー室へ移動します。
ソファーのような椅子に足を伸ばして腰掛け、30分ほどゆっくり過ごすことになります。
そこで意識もはっきりしてきて、ふらつきもなければ帰宅となります。
筆者の場合
検査終了後にペチジンの作用を拮抗するナロキソン(参照:KEGG)の投与を受け、退室となりました。
検査時間は20分程度でした。
生検を受けた場合は、3日間は飲酒や油物を控えるように言われます。
筆者は今回、生検は受けませんでしたので、好きなものが食べられます。
まとめ
とまあ、大腸内視鏡検査の流れをまとめてみました。
検査を受ける側にとっての山場は、「とにかく前処置の下剤をしっかりと飲むこと」です。
これが終われば受ける側の仕事は終わりです。
後は内視鏡担当医にゆだねましょう。
筆者は最近、CRPが少し上昇したこともあり、2021年4月に大腸内視鏡検査を受けることになりました。
ほんと1ヶ月前から憂鬱です。
医者のくせにって言われそうですが、嫌いなものは嫌いです。
筆者は、回盲部付近に癒着があり、盲腸から回腸をのぞく操作のときは強い痛みを感じます。
毎回寝言のように「痛い、、痛い、、」って言っています。
今回も、主治医には「痛み止めをしっかり使ってくださいね」とお願いしてきました。
2020年は新型コロナウイルス感染症の関係で、急がない検査は延期になっていましたね。
2021年は感染がある程度落ち着いてきたこともあり、検査は徐々に解禁に向かっていくのではないでしょうか。