【IBD】10代20代の自分に贈る言葉【逃げても良いんだよ】

今日は、筆者自身の経験から、過去の自分へ贈りたい言葉についてお話ししたいと思います。

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10代、20代の若い自分へ、贈りたい言葉

いくつかありますが、まずはこの言葉を。

「病気から逃げてもいい」、「病気から目を背けてもいい」

10代、20代の若い盛りは、周りとの比較の中に自分というものを認識することが多かったように思います。

治らない病気と言われ、食べるものの制限も受ける状況。
周りとの比較の中で、「なぜ自分だけこんな病気に」と泣くこともありました。

そんな若い頃の自分には、「病気から逃げてもいい」、「病気から目を背けてもいいんだよ」と、声をかけてあげたいと思います。

何を隠そう、若い頃の筆者は、言葉そのままに治療から逃亡しましたが(笑)。
おそらく、これは世間一般に良くないですよね。
「治療から逃げてもいいよ」とは決して言いません(笑)。

でも逆にいうと、それくらい、逃亡したくなるくらい、精神的に辛かったということです。

ですから、精神的なゆとりを与える言葉がけって、とても大切だと思います。
事実に直面している当事者の前には、大きな壁が立っていて、先の道も見えないし、回り道すらも見えないのです。

だからこそ、「逃げていい」、「背けていい」といった、少し事実から距離をとって、視野を広げて見るための言葉がけをしてあげたいのです。

「逃げる」、「背ける」とは?

「逃げる」、「背ける」の意味ですが、いくつかあると思います。
正解はないと思いますし、受け取る側のニュアンスに任せていただいても良いと思います。

筆者の場合は、2つの意味が思い当たりました。
1つ目は「無茶をする」という意味、2つ目は「お休みする、棚上げする」という意味です。

どちらも、いわゆる現実逃避という言葉に対する、具体的な行動になっているのではないでしょうか。

1. 無茶をしても良いんだよ

ずっと「いい子」でいることってストレスが溜まりますよね。
食事制限をして、定期的な診察と治療を受けて、嫌な検査も受けて。

たまには周りの、病気のない人と同じように行動したいですよね?

飲み会に行ったり、 焼肉を食べたり、 マックに行ったり、
激しい運動をしてみたり、 普段制限をかけていることにチャレンジしたり、、、

それで良いのです。
たまには「無茶をして」も良いのです。

意外とこういう「無茶をした」よという話は、クローン病あるあるではないでしょうか(笑)。

親心

子供に「無茶をする」ことを許すのは、親心としては難しいかもしれません。
親としては、子供を守る責任があります。
子供ができるだけ健康でいてほしい、そのためにできることならなんでもしてあげたいと思うことは当然です。

けれども、どこまでいっても、最終的には子供自身の病気なのです。
いずれ、子供は自分の足で、病気を持って歩んでいかなくてはなりません。

親の手を離れても歩けるように、自転車に乗る練習のように、少しずつ手を離してあげる必要があると思います。
例えば、病気に関わる選択も、選択肢をいくつか提示してあげて、どれを選ぶかは子供に委ねてあげても良いのかもしれません。

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自分の限界を知るチャレンジも大切

「無茶をする」ことには、自分の限界を確認する意味もあります。
自分の限界を知ることはとても大切なことです。
これは、社会に出たときの、自身の体調管理能力(自己コントロール力)につながります。

10代、20代の若い盛りは、自分の限界にとことんチャレンジしました。
筆者は食への興味は少ない方でしたので、どちらかというと試合など勝負事が好きでした。

大学時代は、部活は運動部に入り、放課後は日が暮れるまで練習にうちこんでいました。
夏の集中練習や大会遠征などにも積極的に参加していました。
遠征では長崎や兵庫、滋賀、愛知などいろいろなところへ行きました。

また、夏休みには友人とロードバイクの旅に出かけ、琵琶湖を1日で1周してみたり。
大学の卒業旅行では、福井から金沢にかけて車で旅をしたり。

こういった活動を通じて、まだまだ自分も周りの人と同じか、それ以上に頑張れるんだなと自信を持つことができました。

2. お休みしても、棚上げしても良いんだよ

10代、20代の若い自分に、「病気とか気にしなくてもいいんじゃない?」とは、決して言えません。

病気のことは、言われなくても365日意識しているのです。
クローン病ですよと言われた時から、病気のことが頭から消えたことは1日もなかったでしょう。
常に自分の中に、意識の中に、必ず存在しているのです。
目を隠すことができても、頭の中から消すことなんてできないのです。

だから、筆者は「病気とか気にしなくてもいいんじゃない?」という声かけは、逆効果に思います。

どちらかというと、「考えることをお休みしても良いんじゃない?」や、「とりあえず棚上げしても良いんだよ」といった声かけの方が良いように思います。
これも、一つの回り道、一つの選択肢を提示してあげていることになるのです。

お休み

例えば、気持ちの落ち込んでいる時に考え続けても、悪い方向にばかりに考えてしまいます。
考えることを休めば、また考える力が戻って、これまで見えなかった回り道、選択肢が見えてくるかもしれません。

棚上げ

例えば、治療法についてその場で選択を迫られても、困惑してしまう場合もあるでしょう。
よほど急ぐ場合でなければ、一旦棚上げして持ち帰り、次の診察までに答えを出す約束を主治医とすれば良いでしょう。
その間に、自分なりに情報を集めて、落ち着いて選択すれば良いのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。この記事では、過去の自分へ贈りたい言葉という内容でお話ししました。

自分の行動を肯定することって大切なのですが、若い間はそれを周りに求めます。
筆者はようやく「逃げる」ことも自己肯定できるようになりましたが、若い頃はできませんでした。

逃げることを肯定できない間は「逃げ=悪」と思ってしまうわけですから、身近なご両親が「逃げ=良い」と肯定してあげることってとっても大切だと思います。

みなさまのご参考になりますと幸いです。

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