クローン病の合併症〜腸管狭窄について〜実体験をもとに(その②)

前回の記事では、筆者がクローン病を発症した2003年には、右下腹部に腸管狭窄があったことをお話しました。

狭窄はありながらも、日常生活でお腹の張り、嘔気や嘔吐、腹鳴などの症状で困ることなく過ごせていました。

このまま何事もなく過ごせたら良かったのですが。。。

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手術率

手術率は発症後5年で33.3%、10年で70.8%(参照:難病情報センター)、というデータがあります。

クローン病患者にとって、本当に逃避したい事実ではないでしょうか。

皆様も一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

本当に聞くたびに憂鬱になりますよね!

別に死の宣告をされたわけではないのですが、「あなたはこの先、手術を受けることを想定して生きなさい」と言われているようなもので、、、。

発症から16年目

さて、筆者の狭窄症状が強くなってきのは2018年4月、発症から15年が経過した頃でした。

月に1回程度の間隔で、38℃の発熱、お腹の張り、嘔気・嘔吐を認めるようになりました。これらの症状は、おそらく狭窄による症状でしょう。

排便回数は1日に4〜6回で下痢便となり、炎症が強くなってきたのがうかがえます。

食事制限と痩せ

2018年11月からは食事制限を強化し、嘔吐は治っていました。

しかしながら、38℃後半の発熱、腹痛、頻回の下痢が、毎日つづくようになりました。

この頃の食事はというと、毎日うどんと卵みたいな生活を送っていました。

体の炎症は激しくなるのに、摂取できるカロリーは少なく、どんどん痩せていきました。

当時を思うと・・・

今思うと、良く我慢して生きていたなというか、あの頃を思うと涙が出ます。

たまに「若い頃に戻りたい」という言葉を世間では耳にしますが、筆者は絶対に過去には戻りたくないと思っています(笑)。

その頃に、ちょうど新婚となったのですが、そばで支えてくれた妻には本当に苦しい思いをさせたと思います。

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最高体温40度

2019年2月になると、右下腹部から背部にかけての腹痛が持続するようになり、排便回数は5〜10回となりました。

朝から解熱薬を飲んで出勤し、なんとか業務をこなして帰宅して、、

夜になると38.5〜39.8℃の発熱と悪寒で、布団をかぶっても震えているようなありさまでした。

検査

当時の同僚に腹部エコーをオーダーしてもらい、右尿管拡張と右下腹部の腸管周囲に脂肪織の炎症を認めました。

少し専門的になりますが、腸管の炎症が腸管外に波及し、脂肪への炎症や周囲組織を巻き込んで癒着をおこし、右尿管の狭窄となっていたのだと思います。

今の主治医に出会う

結局泣きつくような形で、当時勤務していた大学病院の上司に相談し、同病院の消化器内科の教授先生を紹介していただきました。

初めての入院

2019年3月にクローン病で初めての入院をし、絶食のもと精査を受けました。

小腸造影も受け3箇所ほど小腸の高度狭窄を認めました。

この時は、炎症が強すぎたため、まずは内科的に積極的な治療をした後、狭窄や癒着による尿管狭窄などの症状が重ければ、待機的に手術を行う方針となりました。

レミケード導入

そして退院日、発症からちょうど16年が終わろうとしたころ、レミケードを導入することとなりました。

(この入院精査の体験談は別記事にまとめたいと思います。)

この体験から伝えたいこと

この記事では、クローン病では腸管の炎症を十分にコントロールすることが、いかに大切かを伝えられていたら嬉しいです。

つまりは、クローン病の炎症は早期に抑えたほうが良いよ、ということです。

私のクローン病歴で後悔があるとすれば、今の主治医の先生にもっと早く出会っていて、治療の相談ができていたらなと思います。

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